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「硫黄島からの手紙」。

2006年12月23日 00:57

【公式サイト】http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/

「父親たちの星条旗」を観ていたので、コチラもかなり重い内容だろうナァ、とは予測はしていたのですよ。

──その斜め上をいく重さ&キツさで観終わった時にはもーゲッソリ(汗)。
でも、観ていて不快どころかドンドン物語に引き込まれるのだから余計にタチが悪い(苦笑)。

クリント・イーストウッド監督による極力なまでに抑えた演出。壮大な音楽を流したり、泣かせる過剰な演技を観せずにひたすら淡々と戦場が描かれていく。路傍の石のように其処彼処に転がる無数の死体。その中で描かれる戦場での人間の汚さや狂気は「自分でもそうなってしまうかも」と云う説得力を突き付けて来ますわ。
特に後半の手榴弾による自決シーン。「生き恥を晒すぐらいなら潔く死ね」いと云う言葉に隠された狂った集団意識の愚かしさと醜さ。その行為の後には「潔い死」なんかは残ってなく、ただの醜く潰れ破裂した死体が転がるだけ。もうそれを隠しもせずにバッチリ真正面から撮っているので、正視するのがかなりキツかったです、個人的に。

キャストについては文句なし。
渡辺謙が演じる栗林中将は、戦場の中での人道主義者っぽい立場かと予想していたのですが、実際最後まで観てみると実に軍人らしい軍人で、あんな絶望的な狂った戦況で「マトモに兵士を運用して、そして殺せた」指揮官であったと感じましたね。自決を許さず、後続の軍と合流させ更なる過酷な戦場へ放り出す。それを断腸の思いで決断し続ける。それは唯、自分達の背後の本土にいる家族や国民を護りたいが為に。
そんな栗林中将が軍人と云う『公人』と云う立場を貫いたのに対して、二宮和也が演じた一人の兵士・西郷は実に人間臭くって『個人』の弱さを見せる。ただのパン屋の主人で無理矢理戦争に駆り出され、理不尽な境遇に真っ向から立ち向かうのではなく、愚痴をこぼしながら黙々と従う。悪い言い方かも知れませんが実に日本人らしい(笑)。
そんな二人が終盤でお互いの事を知り、言葉を交わす。そして最後の二人のやり取りは今まで抑えていた演出が効果的になってかなりグッとキます。ダバダバ涙は出ないけど、ポロリと泣けると云うか。
しかし、「ラストサムライ」の時といい、渡辺謙は格好よく死ぬ演技が上手いナァ(笑)。

ともあれ。
もう各所でも言われていますけど、今年の年末年始公開の映画では間違いなくNo.1の映画だと思います。てか日本と云う国が好きなら絶対観て損はしませんので。

あと、もし「父親たちの星条旗」がまだ上映していたら二本とも観れば面白さは倍増。物語的にもかなりリンクする部分が多々ありますので、ソレを見つける度に少しニヤリとしちまいましたよ、私は。
唯一の問題は二本見ると5時間ぐらい掛かってしまうってトコですか(汗)。
気合入れて観れ。

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