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「グラン・トリノ」。

2009年05月01日 22:48


【公式サイト】http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/

実に骨太で繊細で静かで激しい「男の説教映画」でありました。
加えて意外と可愛いイーストウッド爺ツンデレも楽しめます。(ぉ
しかしここ数年のクリント・イーストウッド監督作品は神がかっていますな。撮り方とか配役とか別に派手さは無くてどちらかと云えば陰鬱っぽいのに、配役それぞれの言葉遣いや仕草がズンと心にクるし。
しかし、今回のこの作品はイーストウッド作品としては珍しく明るく笑えるシーンもあったりするンですよね。しかもなかなかツボを突いた笑いを出してくる。コメディの才能もあるなんてなんつーチート才能かと(苦笑)。

過去のクリント・イーストウッドが演じてきた役柄を寄せ集めてジックリ煮詰めたような『古き良きアメリカ』の象徴のような頑固ジジイ・ウォルトは妻に先立たれ、息子や孫達との関係もギクシャクしていて、心の休まる時は長年務めてきたフォード社でその手で作り上げた愛車の72年型グラン・トリノを磨き、眺めながらビールを飲むこと。しかし劇中でウォルトは一度もグラン・トリノを運転しません。乗るシーンすら無い。いつも乗っているのは同じフォード社製のオンボロトラック。グラン・トリノ自体がヴィンテージ・カーってのもありますが、私はこの描写は昔と比べてどんどん変わっていくアメリカの中でも絶対に『譲れないモノ』をグラン・トリノが象徴している感じがしましたね。昔は誰でもそうだったと思う。何か譲れない揺るぎないモノを胸に抱えて真っ直ぐ生きていた筈。
無論、昔のアメリカが本当に良かったとは言えません。現在以上に人種差別は横行していたし、色々と問題(諸外国への戦争介入など)があった。その辺の悪しき部分もキチンと描き出して、それはウォルトの心に影を落としている。
そんな過去アメリカが抱えていた良いコトも悪いコトも全て纏めてウォルトという独りの老人に映し出している。
「もう、昔のようなアメリカには戻れない」と考え、変化を続ける世界を否定も肯定もせずに、それら全てを抱え込んで静かに消えて逝こうとしていたウォルトの前に現れたモン族の少年・タオはウォルトが一番嫌っていた『変化』だったのに、ウォルトの意思を継ぐ一番の『理解者』となっていく過程は本当に素晴らしいと思いましたね。特に床屋や工事現場監督との会話シーンは悪態をついているのに相手に対しての敬愛に溢れている。最近の軽い若者言葉ではこうはいかねぇよナァと感心してしまいますわ。

そんな二人に訪れる事件と静かな別れ。
別れに向かって静かに準備をしていくウォルトがカッコ良すぎるンですよね。相手にはそんな素振りを見せないで、静かに別れを惜しむ。男は多くを語らず斯く或るべしって感じで。そして最後に誰にも話したことの無い『過去』をタオに告げるシーン。教会の懺悔室とのシーンとの対比になったりしてナカナカ印象深いシーンです。
そしてラストシーンは、もの凄く自然に、涙が出てきました。
ウォルトの遺言、タオの哀しいけど照れたような笑顔、陽光を浴びるグラン・トリノ。静か流れてくるED曲。これが素晴らしい。イーストウッド本人の唄い出しから始まって、少しハスキーな声が静かに歌い上げる。歌っているのが大好きなジェイミー・カラムってのも加点対象になるのですが(苦笑)。この曲だけでサントラCDが欲しくなりますわー。

色々とアラが見える展開ではありますが、それを払拭するぐらいに伝えようするメッセージがカッコ良くて素晴らしい。個人的にはNo.1イーストウッド映画ですね。今のところ。


●総合評価 90点
作品の出来で75点、イーストウッドの爺デレ演技で5点加算、ED曲の素晴らしさで更に10点加算ってコトで。個人的には今年のGW映画では一番観てほしい映画かも。字幕は戸田さんだけどな。

《関連リンク》
カイル・イーストウッドが語る父親クリント(1)
カイル・イーストウッドが語る父親クリント(2)
ED曲や音楽についての裏話などがナカナカ面白かったので。
つか息子さん初めてみたが何というイケメン……ッッ。

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