スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「マイマイ新子と千年の魔法」。

2009年12月07日 22:25

【公式サイト】http://www.mai-mai.jp/

たまごまごさんトコで絶賛されていた&映画の舞台が私の遊び場だった山口県防府市と聞いて観に行ってみたのですが……これは、感動は出来ないけど心に色々な意味で響く映画だナァと感じた次第で。

軽く仕入れた情報や予告映像(山口県のTVではガンガン流れていた)を観た限りでは、大人は「昔は良かったネェ」と懐かしンで子供は親達の生きた時代を経験させるジブリ風味のおカタイ文部省推薦アニメかと思ってました。ポスターとかCM映像観るとそうとしか思えんし。
で。実際観終わって感じたのは「これは観客が子供時代にどんなコトを経験したかによって感動したり鬱になったり出来る『鏡』のような作品だな」と。私の場合は見事に過去の『怖い』経験を思い出して落ち込みましたが(苦笑)。

映画の時代は昭和30年代。私自身ではなくてどちらかと云えば私達の親の世代の頃なので、時代背景や建物、生活描写についてはあまり共感を得るモノがありませんが、主人公・新子が見ている『もう一つの世界』は子ども時代を経験した大人なら(経験しない大人がいるとは思えませんが)絶対共感出来るモノがあるのでは無いかと。道端に落ちている石ころでさえ宝物になり、踏みしめる土や触れる草達がとても優しかった世界。今の私なら土に汚れた足元を気にしてしまうのにドンドン汚れていくのが楽しかったあの頃。それらが繊細な新子や貴伊子の仕草(アニメーション)で想い出されてきて、とても眩しく見えてきます。
しかし、ただソレだけなら唯の過去懐古アニメで終わってしまうのですが、そんな中で「マイマイ新子」が絶賛されている理由としてはその眩しい世界がリアルにそして理不尽に大人達の事情によって(大人達はそんな意志がなくとも)汚されていく課程が描かれているからだと私は思うワケで。
尊敬していた女先生のワケありの寿退職、ある同級生の父親の自殺、大人の『汚さ』がジワジワと侵食してくる課程は最初観ていた時はそうでも無かったのですが、こうやって感想を纏めていると胃の辺りにズシーンと重いモノを入れたれたような気がします。そしてその理不尽さを戦う為に新子と同級生のタツヨシは夜の繁華街へ殴り込みます。

余談ですが。実はこのシーン、私の子供時代と見事にシンクロしまして、正直観るのが怖かったンですよ。個人的な話になりますが幼少時代、湯田温泉という温泉繁華街のすぐ近くに住んでいまして、夜になると色々な大人達の嬌声や怒鳴り声とかも聞こえてきて、小さな私にはギラギラしたネオンに化粧の濃い自分の数倍はある大人達が酔っぱらって歩く繁華街がもの凄く怖くて汚いモノに見えていたワケで。今ならあの繁華街を歩いていた大人達も悪い人ばかりではないと解るのですが。

話を戻して。
その繁華街へ侵入して新子達は自分達の『世界』を守ろうとなけなしの勇気を振り絞ります。ですが、新子はその大人達の事情を(多分よく理解せずに)知ってしまい。大人達に諭されてしまう。そしてこの時、新子の『世界』はあの眩しさを無くしてしまう。そしてタツヨシは自分の子供達を『汚し』たりしない大人になると誓い、新子はその『汚れ』すら受け入れて、また自分達の『世界』へ戻っていこうとする。
で、ココからは私の勝手な想像ですが、物語では新子達の生きる『昭和30年代の世界』の他に新子と貴伊子の想像による『千年前の世界(平安時代)』の少女達も描かれるのですが、この少女達――諾子と千古の友情の結末は貴伊子のみが経験します。新子がその結末を知る描写は無かった……ような気がします。(※この辺については自信がありません、検証どなたかヨロシク)
更に考察するとタツヨシの事件後の物語の視点は事件の真相を知った新子ではなく、事件を知らない貴伊子寄りになっています。コレは新子が貴伊子と同じ『世界』の住人で無くなったコトを暗示しているような気がするンですよね。あの後の新子って妙に大人びた言動もありますし。
ラストは貴伊子視点で新子達との生活が描かれて、新子は防府を去っていきます。想像の『千年前の世界』を置いたまま。
新子は結局、貴伊子と一緒にあの眩しい『世界』に居続けられたのだろうか?
それは観ていた私達が決める事なのかも知れません。

あー、どうにも今ひとつ纏まり無い感想ですが、私が観終わって感じたのはこんな気持ちだったワケで。もっと楽しい子供時代を過ごした人なら、もっと明るく前向きな感想を書けると思うのですが、こちとらかなり屈折したトラウマまみれの子供時代だったンだよコンチキショウ(苦笑)。
そういった意味でも、前にも書きましたが、観終わったそれぞれが感じる事が色々と変わる『鏡』みたいな不思議な映画でありましたのコトよ、と。


●総合評価 65点
エンターテイメントとしては評価は低いですが、こんな難しいテーマを感じさせてくれた監督の手腕の巧みさは評価したく。正直万人受けするかどうかスッゴク微妙な映画だと思いますね。私も見逃し掛けていたし。
ですので、この映画を紹介してくれたたまごまごさんには心からの感謝を。
あとこの映画、山口県では先行上映や舞台挨拶も各所でやっていたらしく、私の行きつけの映画館にも監督や原作者、声優さん達の写真やサインが飾ってあって「うわ、これは行けば良かったーッ」と地団駄踏んだり(苦笑)。いかんナァ、最近そーゆーアンテナ感度が弱すぎる。

スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://zenrasinsi.blog55.fc2.com/tb.php/1169-8e4104c7
    この記事へのトラックバック


    最近の記事


    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。